虹色センテンス

桃花色の4年間

動揺を隠しつつも、自分達のクラスへと向かった。
よく後ろ指を指されたが、振り向いたり気にしなかった。

5組へ入っても同じ質問を連発された。
…一体何だって言うんだよ!!

「なぁなぁ振られちゃったの?」

「五月蝿いなー!んな筈ないじゃん!!」

いい加減答える気力もなくなって来た。
本人に直接聞きたいけれど、やっぱり教室から出ると視線が痛すぎる。
その日は教室で大人しくしていた。

「なんでこんな事になっちゃったんだろー…」

「そうだよね…ていうか!まだ付き合って5ヶ月も経ってない位だよ?
 きっと冷かされたりなんかして、逃れるために言った事なんだよ!!」

桜は一日中励ましてくれた。

彼とは小学校からの付き合いだった。
私は転校生で小3の時に隣の区からやってきて4年になった時、隣の席だった井上修平に惚れた。
正直ライバルなんていなかった。
彼は男女問わずほぼ全員に嫌われていて、好きになるなんて他の子にしてみれば絶対にない相手だった。
彼は頭も良くってスポーツも出来る。
優しいし、容姿だって良い。文句なんて何一つない。

彼に出会って今ではもう4年が経った。
それまでに小学校では同じ委員会や部活に入って、苦手だった水泳も克服して大会まで余裕に出れる位まで練習した。
彼に追いつくためにはこれ位しないと、無理だった。
彼は水泳で毎年のように表彰されていた。
その時の大会でも1位を取り、もう少しで最高記録を塗り替える所まで来ていた。
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