虹色センテンス
花火は心が表れる。
鮮やかに夜空に花を咲かせ、そして儚く散っていく花火…
人々はそれを人生に重ねる。
そして、人は美しく咲き、潔く散っていく花火に感動するのだろう。

「あぁ、人生もこんな儚く散ってしまうのか」

あなたは花火を見て何を思いますか?

アタシ?
アタシだっていろいろ思いますよぉ。

凄いなぁって。

どうもボキャブラリーが小学低学年ですよ。
で今ではお馴染みの腹黒中学生でございます。
自分の感動を表す形容詞が「すごい」しかないことに愕然とした。


「おぉスゲー」

「すごっ」

「なんかすげー」

もうね、なんかすげーんですよ。
なんかを埋める言葉はいくらでもあるわけです。
しかし、あえて埋めたくないのがアタシってこと。
こんなすばらしいものを前にして、それを言葉で表すなんて野暮なことはアタシにはできない。
ま、そういうにしとこう。

隣のカップルも、どうやら心が表れたようだった。

カップルはもうバカップルになりそうなくらい、イチャイチャしている。

こいつら全力だ。
心が表れるっていうか、なんかどっかの蓋が開きっぱなしっていうか垂れ流しって言うか。
やっぱりだめだ、この気持ちを表す言葉見当たらない。
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