虹色センテンス
次の日も、またその次の日も質問攻めは続いた。

彼は2組で会うこともなくて、何も聞けずにいた。

5組の中で相談相手の仲良しの男子がいる。
横山翔と上村雄太。
横山は5年の時に仲が良かったが、今ほどではない。
雄太は4年の時お互い両想いだった奴。五月蝿いけど、まぁまぁ頭も良くて、程よくモテる。ていうか、横山もモテる。
2人はよく授業中も大声で叫んで先生に笑いものにされたり、皆の中心にいる奴らだった。

「本当に別れたの?」

「だーかーら!!!違うんだって!!アタシ2学期になって一回も井上と喋ってないし!!ねぇ!桜?」

「うん…」

「じゃあ何でだよー!」

「知らないって。気紛れとかじゃなくて?」

本当は心当たりがある。
実は夏休みにアタシと井上と桜、と井上の友達4人で水族館に行くはずだった。
でもアタシは塾で桜は家庭の都合。急に行けなくなった。
前の日に桜が行けない事が分かって、その日の夜に電話した。
それっきり、井上とは会ってないし話してない。

…それを根に持っているのだろうか?

いやいやいや、井上は「いいよ。分かった」って言ったし、そんな引きずる奴じゃない!!

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