明日へのメモリー
彼の携帯番号を知っていて、いつでも電話やメールできることが、すごい秘密を知っているような気がした。
お家に遊びに行きたい、とか、ドライブに連れてって、と、何度も甘えるようにお願いしてみた。
でも、彼はただ微笑うだけだった。
「お子様はお子様同士の方がいいだろ? その方が楽しめるって」
どうせ『お子様』よね……。
そのたびにがっかりして、わたしは膝を抱えてぷっと頬を膨らませた……。