明日へのメモリー

 また泣いてしまった。樹さんは困ったように微笑み、わたしをあやすように抱いてくれる。

 そんな彼の胸を泣きながら叩いて、怒ってみせるしかできなかったわたしは、やっぱり子供だったと思う……。


 彼にもう会えない!

 そんなの、絶対に我慢できなかった。

 三月末の休日、わたしはとうとう行動を起こした。

 みんなが言うように、この思いをちゃんと告白してみよう!

 夕方、電話で在宅を確かめると、彼のマンションに突撃していった。
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