明日へのメモリー

「ずいぶん長いこと待たされたな……。今日はお前が何て言ってもやめない。そんなにこちこちになるなって……。身体の力を抜けよ。お前はただ感じていればいい……」

「それってどういう……、あっ、んっ!」

 問い返そうとすると、じれったそうにもう一度唇を奪われた。

 これからの出来事を予測させる、親密でエロティックなキス。舌をからめ取られ強く吸われているうちに、正真正銘の呼吸困難に陥る。

 頬を熱くしてあえぐわたしに、満足したように敏感な首筋へと下りてきた。

 そのまま手のひらで腕から腰、腿からふくらはぎまで、全身のディティールをゆっくり辿っていく。

 凹凸を丹念になぞられ、わたしは、どうすることもできずに、シーツを掴んで震えていた。


 心臓が爆発しそう……。


 ひたすらきつく目を閉じていると、辺りがふっと暗くなった。

 無防備に投げ出している身体に彼が覆いかぶさってくる。

 熱くて滑らかで、女とは確かに違う肌。

 全身をすっぽりと包み込まれた時、そそり立ったモノがわたしの脚の付け根にぐいと当たった。


 ああ、もう……。どうしたらいいんだろう。
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