明日へのメモリー
「ちょ、ちょっと……待って!」
「もう、待たない。待つのもやめるって言ったよな?」
それ以上反論を許さず、彼は胸の頂きを口に含むと、舌先で濡らし、軽く噛んでは吸い上げ始めた。
たちまち甘い痛みに襲われる。やわらかな枕の上で頭を左右に振ったり反り返ったりして、もたらされる快感に何度もあえいだ。
離れては、またかぶさってくる頭を夢中で抱き締め、髪に指を絡ませる。
彼の手がゆっくりと腹部を滑り降りて、さっきからどうしようもなく濡れていたわたしの中心に触れた。
途端に、電流が流れたような強い刺激が走った。
びくんと震え、慌てて脚を閉じようとしたけれど、すでに彼の膝が片方割り込んでいて、閉じることもできない。
耳元でまた、笑いを抑えた声がした。
「無駄な抵抗してないで、思いっきり感じてみろよ」
ぎゅっと目を閉じたまま、うなずいてすがりつく。
その後わたしは、彼の指にかき鳴らされる弦楽器のようになった。何度もしなっては、絶え間なく声を上げ続ける。
朦朧《もうろう》とした意識の中で、今の全てが鮮やか過ぎる夢のように思えてくる。
彼が敏感な場所に触れたり、キスするたびに、わたしは喜んで降伏し、自分を差し出した。