明日へのメモリー

 今、最高に幸せ……。
 このまま死んでもいいくらい。

 そう伝えたくて、一生懸命キスを返した。けれど行為はまだ続いていた。

「中に入るからな……、多分、さっきよりきついぞ」

 わたしの手をぐっと握り締めて囁きながら、装着した彼が少しずつ身を沈めてくる。

 さっきとは比べられないくらい押し広げられ、とうとうすすり泣いた。

 それでも入って来る彼を懸命に受け入れる。


 ああ、一つになるって、本当だね……。


 引き裂かれた痛みがやっと和らいだとき、わたしはそんなことを思っていた。今二人は完全に一つだ。

 この強烈な感覚……。すご過ぎて圧倒される。

 けれどまだ、終わりじゃなかった。

 とてもゆっくりと彼が動き始めた。

 わたしを気遣うように優しく、完全に所有するように力に満ちて……。

 促され、彼の腰に両脚を巻きつけると、幾度も繰り返される律動に身を委ねた。百パーセント支配されながら、身体の奥に彼をしっかりと刻み込む。

 これから何年経っても、決して忘れないように……。

 ふいに、身体の奥底でうごめいていた何かが、信じられないほどの白熱の塊になって喉元に押し寄せてきた。

 これは何……? 

 驚く暇もなく、本能的な叫び声を上げてしまう。

 火の玉はなおも膨張し続け、わたしは何もかも忘れて弓なりにのけぞった。

 意識が遠のく間際、彼が愛おしむように抱き締めてくれたような気がした……。


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