欲しいけど言わないで
「ほら、先輩、後輩に心配されてるぞ。菜子、水貰ってくれるか?」
お酒を奪おうとする私を制しながら菜子に言う彼。
イヤ…好きで先輩なんじゃない。
他の女の名前なんて呼ばないで。
さっきまで私の名前呼んでたじゃない。
“好き”って言った癖に…
遊びなら何でそんな事言うの?
何でいつも私の変化に1番に気付くの?
何で私はずっとあなたの隣に居られないの?
ズルいズルい…優しいふりして、期待を持たせる彼も隣に当たり前のような顔をして居る菜子も。
お酒のせいか、普段抑えつけてるドロドロとした感情が溢れ出て止まらない。