MY HERO
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あの日、私はお母さんにものすごく怒られた庭で大声で泣いていた。
泣きすぎて涙も出なくなった私は眠くなってきて今日みたいにいつのまにか寝てしまっていた。
「恵人?」
当時高校3年生だったはる兄は日が暮れ寒くなり始めてきた外で寝てしまっていた私に声をかけて起こしてくれた。
「はる兄ぃーー。」
目を覚ました私は泣きそうになりながらはる兄に抱きついた。
「どしたの?恵人?泣いちゃうのか?弱虫だなぁ。」
はる兄は泣きそうな私を見るといつもこうやってからかってきた。
「泣かないもん。恵人泣かないもん。」
私なりの強がり。
「そっかそっかえらいな。」
そう言いながら頭を撫でてくれるはる兄の手が大好きだった。
「それで、恵人。またお母さんに怒られたんだろ?」
はる兄にはなんでもお見通しなんだね。
「うん。でももう泣かないもん。」
「えらいな。じゃあ、いいとこ連れてってやるよ。今日お父さんもお母さんも寝たら俺の家の前においで。いつまでも待っててやるから。」
「うん!」
どこに行くのかわからないけどとにかくはる兄と一緒にいれると思うと嬉しかった。