MY HERO
1週間が経つのは長いようで短い。
私は今日も家のとなりの空き地に寝転がって空を眺めている。
「はる兄‥。いつ帰ってくるのかな‥」
あぁ、眠い。
心地よい風とほどよく体を温める太陽が私を夢の世界へと連れて行く。
「恵人ー!恵人ー!」
また夢か。
夢の中で大好きなはる兄が私の名前を呼んでいる。
「恵人ー!」
遠かった声がだんだん近づいてくる。
「恵人!」
えっ?
やっと目が覚めた私の目の前にいたのは‥。
もう夜になって無数に広がる星空と‥。
「はる兄‥?」
はる兄の笑顔。
状況がつかめない私と笑顔が素敵なはる兄。
「恵人?ご飯だから家に戻ろ?今日は俺んちも恵人の家で一緒に食べるって。」
「う‥うん。ねー。ほんとにはる兄‥なの?」
私の質問にはる兄は一瞬きょとんとした顔をしたが、またすぐに笑顔に戻った。
「そうだよ」