MY HERO
今私の目の前にはる兄がいる。
これは夢なのか‥。
「恵人、おっきくなったね。ほら、ご飯だから起きなさい。」
いや、現実だ。
久しぶりに会ったはる兄は昔と変わらず優しい笑顔で私に手を差し伸べてくれた。
昔なら飛びついてけど、そんなことできるはずもなく私は恥ずかしがりながらゆっくりとはる兄の手を握った。
この手の感触も昔と変わらない。
大きくて温かくて。
「ほら、家に入ろ?」
まだ手を握られたままの私は心臓が飛び出そうなぐらいドキドキしてて‥。
「う‥うん。」
返事をするので精一杯だった。