笑顔を見つめて
「ー……からー…」



リビングのドアの取手を掴んだとき中から声が聞こえてきた




普段なら気にしないまま部屋に入るけれど


お母さんの潜めている声を聞いて思わず立ち止まってしまった



「ねぇ…あなた、あの子どうしたらいいのかしら」



ドクンッと胸の音が耳元で聞こえた



相手はお父さんー…?




「えぇ…えぇ……。でも、私には出来ない…」




話の内容は……




「だって…あの子…未沙の」





私……?





胸の音が耳元でバクバク鳴っている



取手を持つ手が震える





この先を聞いてはいけない気がしたけど遅かった







「へらへらした顔…見ていてイライラするんだもの」







え………



心臓が凍りついたような感覚だった





「もう…見たくないわ…」





何を言ってるの…?



お母さん……







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