笑顔を見つめて
「…何、笑ってるの?気持ち悪い…謝らないならこの家から出ていきなさい!」



「お母さん…私が悪いの…」




明らかに怒っている母を宥める照


本当に…悪いと思ってる?



充分に愛されたあなたには私が何に怒っているのか分からないでしょう?



照…私が今どんな気持ちか分からないでしょう?




「照…痛くない?」



心配そうに照を見る母





なにこれ…



私が全部悪いみたいじゃない…




「未沙ねぇ…ごめんね」



「照が謝ることじゃないでしょ」



照の言葉に被せて言う母




私が悪者…ね


私はこの家族に何を期待していたんだろう…


いつかは私を見てくれる




…そんなのは愚問だ





ごめんね?


照は私を馬鹿にしてるの?



そんなに母に心配される自分を見せつけたいの?





照はそんなこと考えていない



分かっている


分かっているけど…




「……バカみたい」





信じてきた自分も目の前の光景も…



何も信じれない





許してもらえないだろうけど私にも謝らなければいけないことが1つある






「お母さん…生まれてきてごめんなさい」




これは心からの謝罪だった




深く頭をさげて

私は静かに家を出た







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