笑顔を見つめて
私は連斗に抱きついた



照は感情が顔にでやすい


だから照なら、って
嘘泣きをするつもりだったのに


今出ている涙は私の心からの涙に変わっていた




「どうした?何かあったのか?」



私を受け止めながら優しく声をかけてくる連斗





ねぇ…私だよ?


気づいてよ…



私は二度と触れられないだろう連斗を力一杯に抱き締めた






気づかないよね…


未沙は…照には敵わないから






それなら…


気づいてくれないなら中途半端な優しさはいらない




もう…いっそのこと嫌ってよ





「未沙ねぇがね…私を叩くの!」



「え……?」




私を軽蔑して…



「今まで誰にも言えなくて…!」



心の底から嫌ってくれたら…



「おばさんは…?」



「お母さんには迷惑かけたくなくて言えないよ…」



私もすっきりするはず



「でも…未沙が叩くのにも理由があるんじゃ…」



もう…照の言うことなんだから早く信じてよ…



「私…何もしてないよ…?」



「未沙が理由なしで人を傷つけるようには思えないけど」



真っ直ぐ私の目を見て話す連斗




「連くんは…私が悪いって言ってるの?」






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