笑顔を見つめて
「未沙ねぇは…連くんの悪口を普通に言ってるし…普段、見せないけど家では怒りっぽいんだよ?」



「照…もういいよ。いったん家に帰ろう…濡れたままだと風邪引く…」



何で聞いてくれないの?


私を軽蔑してってば!




「何が…もういいの?未沙ねぇ、思ってるような子じゃないでしょ!」




「照!!」




ビクッと身体が震えた


連斗が怒るのは珍しい




「こんなこと言うの…照らしくないよ…」



どこか呆れた顔をする連斗



照らしく…ない?





「そりゃあ…そうだよ…」




なにこれ…



私が照になっても嫌われるの?




ちゃんと未沙を嫌ってよ!!





「照…?」



「私っ…照じゃないもん!未沙だもん!」




もう嫌だ嫌だ嫌だ!!



精一杯の力を使って連斗の腕をほどいて目一杯連斗を睨む





「結局はそうなんだ。私が誰であってもそんな目しか向けられない


照は関係ない!


どうせ嫌われるんだったらいっそのこと言ってあげる



連斗も…照も、お母さんも学校の皆も!皆、皆大っ嫌い!!


照が一番ならはっきり言って!

同情の目を向けないで!うわべだけで優しくしないで!



私がいらないんなら

もう…あなたの前から消えてあげるから!!」



連斗は驚いた顔をしていた




やつあたりしちゃった…


連斗は悪くないのに





もう全部私が悪いの…



何もかも…私が…




私は呆然とした連斗を置いて走り去った






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