笑顔を見つめて
「未沙ねぇ…来た」



「照、未沙!!」



照の声と同時に後ろから声が聞こえてきた



振り返ると走ってきたのか息を切らしている私たちの幼なじみの男の子


柳沢 連斗 [ヤナギサワ レント]




「連くん♪どうしたの?」


照がにこやかに連斗に尋ねる



「遅刻しそうだったから走ってきた」



「そっか~じゃあ一緒に行こう?」



「もち!」



見ただけで分かる

二人は両思いだ




たまに連斗と登校が一緒になると照は顔を赤くして凄く嬉しそうな顔をする


連斗もまんざらではない様子



「ー……よね!未沙ねぇ!」



「え?」



「も~う!聞いてなかったの?」



「あ…うん。え?なになに?なんの話?」



私は笑顔を作り聞き返す




正直この二人が一緒になると私が邪魔なような気がしてこの場に居たたまれなくなる



「だからねっ!うちのお母さんは優しいよねって話!」


にこやかに聞いてくる照



「えっ…あぁ、うん。そうだね!!」


私も笑顔で返す



「マジか~俺の母さん、いつも怒ってばっかだし…」



「あはは~確かに連くんのお母さんはちょっと怖いよね」



「ちょっとどころじゃねーし!!」


二人が笑いあうなか、私も笑顔を作る






…でも






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