笑顔を見つめて
「あ…のさ、そういえば今日の朝先生に来るように言われてたんだった。だから先に行くね」



私はそんな話したくないし聞きたくない


だからありもしない理由をつけて逃げ出す



「そっか、じゃあまた後で」


照は手をふって顔を赤らめる



多分、連斗と二人きりを意識しているのだろう




私は走り出そうとした




…が


「未沙!」



連斗が私の手首を掴む



「な…なに?」



いきなりすぎてビックリした…


「なんかあった?」



「え…何が?」





…連斗はいつもそう


私の微妙な変化に気づいてくれる



だからといって素直になんかなれるわけがない




連斗は幼なじみとして心配してくれるから


だから…


言えるわけがない





「私…早く行かないとだから…ていうか二人も早く行かないと遅刻するよ」



「あ…あぁ…」



ようやく離してくれた手を見ながら私は走った




手首が熱いのは…掴まれていたからだよね…?






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