鈍感ガールと偽王子
なんだか、幸せで。
じんわりと伝わる唇の熱が、胸にも温かさを広げていくようで。
「……椎葉くん、好き」
ゆっくりと唇が離れたあと、あたしは椎葉くんを見上げて、思わずそう言っていた。
「……」
「椎葉くん?」
微妙な顔をしてあたしを見つめる椎葉くん。
「……美結、その顔、反則」
「はい?」
「これから俺以外の奴に上目遣い禁止な。あと、目潤ませんな。襲いたくなる」
「~~~っっ!!」
何言ってんの!?
「あと」
まだなにかあるんですか!?