鈍感ガールと偽王子
「想像!?しししてないよ!!」
「……ふーん?」
こいつ嘘吐くの下手すぎだろ…。
「ていうか離してー!」
ぽす、と俺の胸に収まったままだった美結は、そう叫んでいきなり顔を上げた。
「!」
ばっちり、目が合う。
しかも、シャンプー?香水?
わかんねーけど、すっごいいい匂いがする。
それくらい、近い。
「っ!」
美結は驚いたように目を見開いて、固まってしまった。
相変わらず、初心(うぶ)な反応。
……まぁ、まだ付き合い出してからそんな経ってないし、当然っちゃ当然か。