鈍感ガールと偽王子
「……ん…?」
目を開けると、見覚えのない白い天井。
「……」
ぼんやりした頭では状況を掴めずに、あたしは何度かまばたきを繰り返した。
「……ん!?」
ちょっと待った。
ここ、どこ!?
あたしは漸く自分の置かれた状況がいつもの朝とは違うことに気がついた。
慌てて温かい布団から身体を起こす。
「……うー…。美結…、もう起きんの…?」
「!?」
唐突に聞こえた声に驚いて、あたしは一瞬身体をすくめた。
ごそり、と隣で温かいものが動いた。
眠そうにもごもご言いながら、それは寝返りを打つ。
……え!?
たぶん、今あたしの目は人生で一番見開かれていることだろう。