鈍感ガールと偽王子
……あー、そうだ。
そうか、あの腕は椎葉くんだったのか。
うわー、今考えるとあたし相当危なかったよね。
一歩間違えたらほんと処女喪失どころの話じゃなかったよ。
あたしは自分のアパートに着くころ、漸く昨日のことを思い出していた。
「うー…、なんか今頃頭痛してきた…。二日酔いかなー…」
大学も4年となるともうほとんど講義もとっていない。
鞄の中から鍵を出して、ドアを開ける。
「ふー…!なんか疲れたあ」
あたしは思い切りベッドにダイブした。
今日は何も授業のない日。
ゆっくり休むとしよう。
あたしはよっこらせとベッドから身体を起こし、シャワーを浴びて部屋着に着替え、そして休息を求めてもぞもぞとベッドに潜り込んだのだった。