鈍感ガールと偽王子
ピーンポーーン
「……んー?」
ピーンポーーン
「誰……」
人が気持ちよく寝てるっていうのに。
ピンポンピンポン
「だーあッ!!」
あたしはがばっと身体を起こすと、どかどかと玄関へ向かった。
まったく、誰なのしつこい!!
「はい!?」
相手を確かめもせずに、勢いよくドアを開けた。
……が、それがいけなかった。
「美結っ!!」
「うわぁっ!ちょ、ちょっと、沙奈!?」
ドアを開けた瞬間、すごい勢いで沙奈があたしに飛びついて来た。
ええ、文字通り、飛びついてきやがりました。
「えー!?なんでまだそんなカッコしてるの?もう夕方だよ?」
「自分の家で何着てたっていいでしょ」