鈍感ガールと偽王子
「はあーー…」
なんで、あんなこと言っちゃったんだろ…。
「…おまえ、さっきからなんなの?」
「へ?」
呆れたような声に顔を上げる。
椎葉くんが眉を顰めてあたしを見ていた。
……師走に入り寒さも身にしみる今日。
未だに週2,3回のペースで椎葉くんの部屋にお邪魔してるあたしは。
今日もいつもどおり椎葉くんの部屋で夕食を終え、まったりとくつろいたところだった。
……ていうか、うわあ。
完全に自分の世界入っちゃってたよ…。
「さっきからため息ばっかで人の話全然聞いてねぇし」
「ごめん…」
素直に謝ると、椎葉くんはひとつ息を吐いた。
「何、なんか悩みでもあんの?」
「悩み、っていうか…」
もごもごと言い淀んでいると、
「はっきり言う!」
と椎葉くんに怒られた。
…そんな大きい声出さなくてもいいじゃん…。