館‐yakata‐

タツヤ:「行こう!」

アイコ:「タツヤ!ケンが…」



タツヤがノブに触れると…
扉は開いた。



2人をすばやく押し出し、扉は瞬時に閉まった。






ケンが出られる隙間など、やはりどこにもなかった。




館はみるみるうちに薄くなっていく。



アイコ:「やだぁ!ケン…、ケンがまだ入っ…」








2人が出て間もなく、館はケンが閉じ込められたまま、跡形もなく消えた。







アイコ:「やあぁぁ………」






アイコは泣き叫んだ。




そんなアイコを抱きしめ、タツヤの頬にも涙が零れ落ちた。






「ケン………」







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