館‐yakata‐
タツヤは、周りに人がたくさんいるのも構わず大声で呼んでみた。
けれどその女性は反応しない。
タツヤ:「あれ、違ったのかな?」
アイコ:「もぉ~、みんなこっち見て笑ってんじゃん…!」
タツヤ:「へ?そんなもん気にしねぇよー」
カノコ:「気にするわよ!」
タツヤ:「いってぇ!」
アイコ:「やっぱりカノコだぁ!」
カノコはどすどす歩いて来て、タツヤをおもいっきりどついた。
アイコ:「やぁ~、カノコぉ!久しぶり~!」
カノコ:「久しぶりね。あなたたちも出れたのね!…え、まさか2人で?なんて…」
アイコ:「うん、そのまさか…」
カノコが帰ってからの館での出来事を、カノコに話した。
カノコ:「…そう、ケンが……」
ミカ:「ママ、おじちゃんと遊んできていい?」
カノコの娘、ミカはタツヤになついていた。
カノコ:「いいけど、いじめられないようにねー」
タツヤ:「いじめるか!つーか、おじちゃんじゃあないぞぉ」
タツヤはミカに手を引かれて行った。