館‐yakata‐

カノコ:「アイコは閉じ込められてる間、外の世界ではどういう設定になってた?私は一人旅をしていたことになってたわ」

アイコ:「設定とかあったの?…私わかんない。まだ家族にも会ってないから…」

カノコ:「そうなの…。元気出しなさいよ!」

アイコ:「うん…。…他のみんなはどうしてるんだろ?」

カノコ:「そうね…、どこに住んでるとか、そういう話はしなかったものね。こうやって偶然会えるしか、ないわよね…」

アイコ:「会えたらいいね…」




そんな偶然は不思議と次々起こり…

半年後、同窓会ならぬ、“同館会”が開かれた。




ただひとり、ケンを除いて……。






モモコ:「ううっ、ううっ………」



モモコはケンのことを知り、ずっと泣いていた。



アイコ:「モモ…、悲しいけど泣くのやめよ…?」

モモコ:「ううっ…、ひどいよアイコちゃん……」

カノコ:「いいかげんにしなさいよ!いつまでも泣いてたってケンは喜ばないんだから!」

モモコ:「だってぇ…」


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