館‐yakata‐
ケン:「あの俺…、何か忘れてるんですか…?」
タツヤとアイコは、顔を見合わせた。
タツヤ:「…俺らの昔の仲間に似てたんだ!あんた名前も“ケン”みたいだし…悪いな!混乱させて」
ケン:「…そうなんですか」
タツヤ:「ああ、そうそう。…また食いに来るわ。な!」
アイコ:「うん、また…!」
死んだかもしれないと思っていたケンとの、思わぬ再会だった。
タツヤ:「覚えてなかったな、あいつ…。あれ絶対ケンだよな」
アイコ:「うん…。名前も顔も声もしぐさも…ホクロの位置も、ケンだったよ…」
タツヤ:「なんか寂しいな。あんなに一緒に過ごしたのにな」
アイコ:「ね…。私たちが今こうしていられるのもケンのおかげなのにね…」
タツヤ:「ああ…」
アイコ:「…でも生きててよかった!嬉しいよ」
タツヤ:「そうだよな!そうだ、これからダチになりゃいいんだよ!」
アイコ:「そうだよ!ラーメンおいしかったし、またごちそうしてね!」
タツヤ:「おう!…っておまえの方が給料いいだろ!パティシエなんだから」
アイコ:「まだたまごだもん」
―今宵も何処かで…