館‐yakata‐

カノコ:「何ゴチャゴチャ言ってんのよ。旦那とは去年別れました。子供は実家に預けてあります!」

アイコ:「…そうなんだ」

カノコ:「…仕事に熱中して子供とはほとんど会ってなかったわ。両親がみてくれてるし、私が帰らなくても子供の心配はないの。こんな所に閉じ込められてしまうなんて…きっと罰が当たったのね…。仕事も子供もどっちも失いそう…」

アイコ:「そんなこと…」

カノコ:「あ、慰めないでよ。私同情とかされんの嫌いだから」

アイコ:「わかってるよ…」

カノコ:「…ごめん。これだからいけないのよね…、はぁ…」






いつの間にか夜は明けていた。

今日は晴天だ。



マツ:「ええ天気じゃのう!」

ユキ:「気持ちいいねぇ」


マツノスケとユキは縁側風な場所でひなたぼっこをしていた。



ユキ:「あ、人が歩いてる。おーい」


ユキは窓越しに、外を歩いてる人に手を振った。

けれど気が付かない。



ユキ:「おーい!お~~いっ!」

さらに大きい声を出し、大きく手を振ったが、やっぱり気が付かない。

< 12 / 111 >

この作品をシェア

pagetop