館‐yakata‐
カノコ:「何ゴチャゴチャ言ってんのよ。旦那とは去年別れました。子供は実家に預けてあります!」
アイコ:「…そうなんだ」
カノコ:「…仕事に熱中して子供とはほとんど会ってなかったわ。両親がみてくれてるし、私が帰らなくても子供の心配はないの。こんな所に閉じ込められてしまうなんて…きっと罰が当たったのね…。仕事も子供もどっちも失いそう…」
アイコ:「そんなこと…」
カノコ:「あ、慰めないでよ。私同情とかされんの嫌いだから」
アイコ:「わかってるよ…」
カノコ:「…ごめん。これだからいけないのよね…、はぁ…」
いつの間にか夜は明けていた。
今日は晴天だ。
マツ:「ええ天気じゃのう!」
ユキ:「気持ちいいねぇ」
マツノスケとユキは縁側風な場所でひなたぼっこをしていた。
ユキ:「あ、人が歩いてる。おーい」
ユキは窓越しに、外を歩いてる人に手を振った。
けれど気が付かない。
ユキ:「おーい!お~~いっ!」
さらに大きい声を出し、大きく手を振ったが、やっぱり気が付かない。