館‐yakata‐
マツ:「外からは見えんのじゃよ」
ユキ:「そうなの?私がここに来た時はもう薄暗かったからそんなの気にもしなかった。…あっ、新しい人が入って来るのを玄関で待ってて開いた隙に出るってのはどうかな!?」
マツ:「そうじゃのう。やってみてもいいかもな」
ユキ:「私玄関で待ってよっ。マッツァンは待っとかない?」
マツ:「わしはひなたぼっこがいいのう」
ユキ:「そう。じゃあね!私先に出れるかも。ばいばい!」
もう出られた気分でユキは玄関に走っていった。
ケン:「おおっ…、何かあったのか!?」
ユキ:「作戦だよっ!ケン、ばいばい!」
ケン:「ばいばい……!?」
ユキは玄関で待ち続けた。
食事も摂らず、トイレさえ我慢して、ずっと扉が開くのを待っていた。
その姿をみんなは心配そうに見ていた。
アイコ:「ユキ大丈夫かな…、新しい人なんていつ来るかわかんないのに…」
ケン:「でもさ、ユキの作戦が成功したら、俺らも出れるかもな」
アイコ:「うん…。けど私はもうどうせなら館の主旨に従って恋人つくってすんなり帰りたいな」