館‐yakata‐
「うそ!?やだ、私帰らないとパパに怒られるっ…!」
「あたしだって…ていうか彼氏いるし!」
「彼氏がいるのに入って来たの?ひどい…」
「…ちょっとおもしろそうって思ったんだよっ、あああ、どうしよう!!」
「そうだ!」
1人の女子高生が、先客の男の所へ駆け寄って行った。
「恋人になって!」
「嘘は嫌いだ」
「嘘だって何だっていいじゃん!とにかくここから出られなきゃパパに怒られる~!」
「この館は誤魔化しは効かない。俺もそう思ってあの人と恋人のふりをしたんだが、扉は開かなかったんだ」
「そんなっ…、えーん、どうしたらいいのぉ…!?」
「ユキ、泣かないでよぅ…、えーん…」
女子高生は2人とも泣き出した。
先客の女が2人に近寄り、背中をさすって慰めた。
そして自己紹介をした。
「メグとユキだっけ?私はアイコ。20歳。そして…」
「私はカノコ。…もうすぐ30よ」
「俺はケン。26歳」