館‐yakata‐
アイコが2人の部屋を訪ねて来た。
タツヤ:「こいつさぁ!」
マサ:「なんでもないよっ!」
タツヤの喋りを止めるため、マサが初めて大声を張り上げた。
アイコ:「…?ま、いいや。ね、ケーキ出来たよ」
タツヤ:「マジ!?行こうぜ、マサ!」
マサ:「や、僕はもう…」
タツヤ:「何言ってんだよ!そんなだから忘れられんだぞ!」
アイコ:「そうだよ、行こうよ、マサ!」
マサ:「…はい」
マサは渋々、1階に下りた。
全員が集まり、アイコが作ったケーキを囲み、まったりお茶タイムを過ごした。
ケン:「なぁ、この中でここから出られそうなやつ、いる?」
ケンのその質問に、みんな静まり返った。
カノコ:「…こんな館の中に閉じ込められて恋なんて生まれるのかしら?」
ユキ:「なんだかもう、家族みたいだよね。マッツァンがおじいちゃんで、…ケンがお父さん?お母さんは…カノコ?」
タツヤ:「俺をお父さんにして?」
ユキ:「ぶっ、ありえない!」
ケン:「いいかげん、外の風に吹かれたいよな…。ここ窓も開かねぇんだもん」