館‐yakata‐

ユキは布団に潜っていた。



アイコ:「…やっぱり具合悪いの?」


アイコが優しく話しかけるとユキはそっと顔を出した。



ユキ:「…お腹すいた。…みんなもう食べ終わった?」

アイコ:「うん。…ユキ、今日はどうしたの?」

ユキ:「………」







その頃マツノスケは縁側から夜空を眺めていた。

そこへ、どこからともなくタツヤとマサがやってきた。



タツヤ:「おう、じいちゃん。こんなところで何やってんだよ?」

マツ:「月を見てたんじゃ。ほら満月じゃろ」

タツヤ:「うおぉ!満月の夜は血が騒ぐぜ!そうだ、月を見ながら酒でも飲まねぇ!?」

マツ:「酒があるのかい?」

タツヤ:「飲みもん食いもんならなんでも出してくれるぜ、この館」

マツ:「そりゃあ便利じゃのう。わし、イカの刺身が食べたいのぅ」

タツヤ:「よっしゃ!持ってくるよ。マサ、おめーも手伝え!」

マサ:「はい…」


2人は台所へ酒とつまみを取りに行った。
タツヤはルンルン気分で鼻歌まで歌っている。



カノコ:「ずいぶんご機嫌ね」


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