館‐yakata‐
アイコ:「わかんないっ……」
アイコは立ちどまり、その場にしゃがみこんだ。
タツヤも一緒にしゃがみこみ、…なぜか泣き出した。
タツヤ:「うわ~ん…」
アイコ:「…何!?」
タツヤ:「アイコが泣くから~…」
アイコ:「……ふっ、バカ…」
アイコが少し笑った。
―コンコン
カノコ:「ユキ、ご飯持ってきたわよ」
ユキ:「あーお腹すいたぁ、ありが…」
ユキは出てきたけれど、マサの姿を見るなり部屋の隅へ引っ込んだ。
カノコ:「ユキ、聞いたよ。ゆうべは私も一緒に飲んでたんだけど、先に酔いつぶれて何も知らなくて…ごめんね」
ユキ:「カノコは何も…悪くないよ」
マサはおどおどしていた。
酒に酔ったマサとはまるで別人だ。
カノコ:「ほらっ!」
カノコはマサの背中を叩き押した。
マサ:「あ、あの…、す…すみませんでした!…でも僕何も覚えてなくて………」
カノコ:「もうここではお酒禁止にしたから二度とゆうべのようなことはないわよね!?」