館‐yakata‐
脱出
ユキが笑った。
やっとマサの前で笑えるようになった。
マツ:「はっはっはっ、なんだか知らんがよかったのう!」
タツヤ:「ああ、よかったな。…俺も飲んでいいか」
タツヤは恐る恐る尋ねた。
ユキ:「うん。たった今、お酒は解禁!」
タツヤ:「やったー!!飲もうぜマツじぃ!!」
マツ:「おおおっとっと」
そんな中、館を去ろうとしている者がいた。
カノコ:「ダイゴ、お茶どう?」
ダイゴ:「ああ、もらうよ。ちょうど飲みたいと思ってたとこなんだ」
カノコ:「そう。何してるの?」
ダイゴ:「英語の勉強。いつかは海外進出したいと思ってるんだけど、どうも苦手で…」
カノコ:「海外?すごいなぁ…」
ダイゴ:「そういうカノコだってバリバリのキャリアウーマンなんだろ?」
カノコ:「ここに閉じ込められて、長い無断欠勤できっともうクビよ」
ダイゴ:「その時はうちに来ればいいよ。あ…気に入ったらでいいけど」
カノコ:「本当に?アテにするわよ」
ダイゴ:「どうぞ」
カノコ:「……ダイゴ、年上の女は嫌い?」