館‐yakata‐

ユカリ:「そうですよねー…」

マツ:「何か事情があるんじゃろ。…今日は天気が悪いのぅ」







館内は静まり返っていた。







モモコ:「つまんない!モモ帰りたい!!」

ユカリ:「みんな同じ気持ちですよ…」

モモコ:「ケンく~ん、早くここから出ようよぉ…」

ケン:「…………」


ケンは寝たふりをしていた。



モモコ:「もぉ~~!」

ユキ:「吠えてる間に勉強でもしたら?ここ出れた時に学校でビリになっちゃうよ」

モモコ:「ユキに言われたくない」

ユキ:「呼び捨てにすんな!私はあんたよりお姉様なんだから」

モモコ:「そうだよね。モモより老けてるんだもんね」

ユキ:「なっ…」


ユキは腹が立ち、手のひらをぐっと締めた。

モモコを殴るのではないかとユカリはヒヤヒヤして、ユキの拳をそっと掴んだ。



ユカリ:「まぁまぁ…。何か楽しいことでも考えましょうよ。ねっ!」

ユキ:「楽しいことって…?」

ユカリ:「そうですねぇ………」




再び静まり返った。


< 54 / 111 >

この作品をシェア

pagetop