館‐yakata‐
芽生え
ケン:「……あれ?」
人の体のようなものに当たって、扉が数センチしか開かない。
ケン:「アイコ?ちょっと開かないんだけど…、どいてくれ」
アイコ:「私は後ろだよ」
ケン:「え?あ…そうだよな。じゃあこの巨体は…?」
扉が当たる感覚に気付いたその“巨体”は動いた。
そして次の瞬間、巨体が扉を開けた。
「ぎゃああああ!」
「ぎゃああああ!」
3人も巨体も驚いて、叫んだ。
「……あんたら、誰!?」
巨体がむしゃむしゃしながら重たい声て喋った。
ケン:「あ…あんたこそ誰だ!?」
タツヤ:「なんだ、なんだ!?」
叫び声を聞きつけたタツヤが走って来た。
タツヤ:「あー!おめぇらどこにいたんだ!?…なんでこんなとこから出てくんだ!?」
ケン:「…ここはどこだ?」
タツヤ:「は?ここはこいつの部屋だよ。そこは物入れだろ?」
アイコ:「物入れ?私たちは台所から地下に下りて、ずっと階段を歩いてたの。…ここは地上なの?」
タツヤ:「地上…だろ?地下なんてあんのか!?」