館‐yakata‐

タツヤはアイコの背中をさすった。



アイコ:「…どっか行ってよ!」

タツヤ:「は?」

アイコ:「恥ずかしいじゃん…!」

タツヤ:「何言ってんだよ、ばかやろう」

アイコ:「やろうじゃないもん…」

タツヤ:「…じゃあばかレディか?」

アイコ:「ふっ…、ばかじゃないもん…」


アイコに少し笑顔が出た。
タツヤもホッとしていた。



タツヤ:「疲れてるんだろ、もう寝ろ。俺連れてってやっから」

アイコ:「あー…、でもこれ片付けなきゃ……」

タツヤ:「俺がやっとくよ」

アイコ:「そんな、悪いよ!」

タツヤ:「昨日のお返しだ!文句言うな!」

アイコ:「文句じゃないけど…」

タツヤ:「昨日は…ありがとな!マジ助かった…」


照れくさそうにそう言い、タツヤはアイコをひょいっと抱き上げた。



アイコ:「なっ…何!?」

タツヤ:「俺様タクシーだ!文句言うな!」

アイコ:「文句じゃないけどー」



アイコは生まれて初めてお姫様抱っこされ、ドキドキしていた。







翌朝、館内に異変が起きた。


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