館‐yakata‐
情緒不安

ケン:「モモがいねえ」

アイコ:「えっ、…トイレは?」

ユカリ:「私そうじしてたんですが、トイレいませんでしたよ」

タツヤ:「まだ寝てんじゃねぇの?ふわぁ~…」

ケン:「いねえんだよ……」

アイコ:「…どっかいるでしょ。ひとりで帰れるわけないし…」

ユウタ:「あの…、俺見たっす…。明け方モモちゃんがふら~っと玄関から出て行くのを…」

ケン:「ひとりで!?」

ユウタ:「はい」

アイコ:「そんな、この館は………もしかして、もうひとりでも扉開くのかな!?」

ユウタ:「そう思って試してみたんすけど、開かなかったっす…」

タツヤ:「どうなってるんだ!?」




5人はそれぞれ考え込んだ。




ケン:「モモ…ゆうべずっと泣いてたから…館も見兼ねたのかもな。まだ子供なんだし」






それからは新入りも入って来ず、5人で静かな日々が続いた。


1番最初に入ってきたケンも、館での監禁生活が半年過ぎた。



ケン:「…なんか俺、隠居老人みてぇ」

アイコ:「ふっ、どうしたの、ケン?」


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