館‐yakata‐

アイコ:「…とりあえずお茶にしない?今朝チーズケーキを作ったの!」

タツヤ:「こんな時に何のんきなこと言ってんだよ~!」

ケン:「タツヤ!落ち着けって!…アイコ、頼む」




アイコはお茶を入れ、3人は無言で、それぞれ考えていた。





アイコ:「…あと23時間だね…」

タツヤ:「…うまいな。もしかしたらこのチーズケーキが最後になっちまうかもしんねぇ…」

ケン:「そんなこと言うな。絶対出られる!」

タツヤ:「何の根拠があるんだよ!?…そうだ、窓を割ろう!」

アイコ:「えっ!?」



タツヤはイスを持ち上げ、窓に叩き付けた。

何度も、何度も…

何度やっても窓は割れない。



タツヤ:「くっそぉ…、なんでだよ!?このやろうっ、えいっ…」

アイコ:「タツヤ、もうやめて…」



アイコは今にも泣き出しそうな顔をしていた。



ケン:「…アイコは俺かタツヤ、どっちか選べないのか?」

アイコ:「えっ、私は…。仮に選んで、万が一扉が開いたとして、そしたらどっちかを見殺しにしちゃうことになるんだよね…。そんなのやだよっ!」


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