館‐yakata‐
…この時はもう、館は1階の、台所と玄関とトイレしか残っていなかった。
アイコ:「今…何時くらい?」
タツヤ:「…6時前だ」
アイコ:「もう朝なんだ…。一睡もしなかったね…」
ケン:「大変だっ!」
タツヤ:「なんだよ~、これ以上大変なことがあんのかよ~!?」
ケン:「トイレも…消えちまった…」
タツヤ:「マジかよ!?やべぇ…もらしたらどうしよう…」
ケン:「…あと4時間…か……」
時間は容赦なく過ぎていった。
ケン:「……アイコ、本当のところどうなの?」
アイコ:「え…?どうって……」
ケン:「俺とタツヤ、どっちか恋愛対象にならねぇの?」
アイコ:「えー…、うー…ん………」
アイコは答えにつまり、泣き出した。
タツヤ:「…もういいじゃねぇか。酷だよ、この状況で…」
ケン:「試しにおまえら玄関開けてみろよ。もしかしたら自分で気付いてないだけかもしれないぞ」
タツヤ:「だったらケンとアイコでも試してみたらいいじゃねぇか」