館‐yakata‐
ケン:「おまえはどっちか選べば助かるんだから…そうだろ、タツヤ!?」
タツヤ:「あ…ああ、そうだな。でも…」
ケン:「でももくそもねぇ!早くしないと…」
もう扉と3人がやっと立てるスペースしか無くなっていた。
ケン:「アイコっ!」
アイコ:「そんなっ…、選べないよっ…!」
ケン:「…………」
ケンは2人と手を離した。
アイコ:「ケン…!」
ケン:「おまえら行け!」
タツヤ:「な…何ひとりでかっこつけてんだよ!」
ケン:「一か八か…開けてみろ!」
アイコ:「やだよっ…ケン!」
ケン:「早く…、あと1分だ……」
アイコ:「3人で一緒にって、約束したじゃん…!」
ケン:「タツヤ、早く!…アイコを頼む!」
ケンの強いまなざしにタツヤはおされた。
タツヤ:「…わかったよ。もし開いたらケンも飛び出せよ」
ケン:「ああ、…そう出来たらな」
ケンとタツヤは微笑み合い、タツヤはアイコの手をぎゅっと握り締めた。