身代わり恋愛
壊れた心
家とは反対方向にしばらく歩き、気がつけば繁華街の方に来ていた。
近所とは違って人が多く、傘をさしたサラリーマンや学生、様々な人と行き違いその度にジロジロと見られる。
そりゃあそうだ。
こんな雨の中傘もささずに、髪も服もずぶ濡れの人が歩いていたら誰でも怪しく思うだろう。
出来ればこのまま消えたい…。
私がいなくっても誰か悲しんでくれるかな?
きっとみんな悲しまないな…。
みんな、きっとこう口を揃えて言うんだろうな…。
"由奈じゃなくて良かった"
そんな姿が目に浮かんだ。