身代わり恋愛

「ごめん…」


結局、私が聖也の腕から放たれたのはしばらく時が経ってからだった。

10分くらいは過ぎていたと思う。でも、私にはそれ以上に感じた。


聖也の腕から逃れると、全身に血がまた巡り出すのがわかるくらいで、その力の強さを更に実感した。


「明優、ごめん…痛かった?」


聖也の問いかけにコクっと頷く。



痛かった。身体もだけど、何より心も痛かった。


何もされてないのに、聖也を見てるだけで心が痛むなんて、私も相当重症だ。



「明優…?」



ん?と俯いていた顔をあげる。


すると、聖也の辛そうな顔が目に入った。

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