身代わり恋愛
「聖也くらいかっこよければ、いくらでも相手はいると思うよ…?だからね、簡単に好きなんて言わないで…?私、もう少しのところで勘違いするところだったよ…。舞い上がって好きなんて言っちゃってさ」
道具としか思ってないなら、好きだなんて言わないで…。
心からそう思った。
抱きしめられたまま、聖也は何にも話そうとしない。
二人の間に沈黙が生まれる。
「ったら…」
少しの間が空いて、聖也は口を開いた。
「ん?」
でも、何を言ってるのか分からなくて咄嗟に聞き返す。
「どうしたら、信用してくれんだよ!こんなに、明優で一杯なのに…。そりゃ、酷いことばっかりしてきたから今更彼女になってほしいなんて自分でも矛盾してると思う。だけど、それなりに俺だって考えた。どうすれば信用してもらえるかとか、どのタイミングで言えばいいのかとか、色々考えたんだよ…」
少し声を荒げて、切羽詰まったように言う彼にただひたすら耳を傾けた。