初恋物語
ホームルームでこれからの説明を受け、入学式があるため廊下に並び、体育館に向かう。

体育館に向かっている間、私の後ろに並んでいる女の子が突然声をかけてきた。

「ねぇあなたどこの中学だったの?」

振りかえると、目が大きくて、可愛く化粧をしていて、髪も茶髪で明るい感じの可愛い女の子だった。

「あっ…私北海道の中学だったから、東京じゃないですよ」

可愛い女の子は驚きながらも話を続ける。

「北海道!?…なに?親御さんの都合できたの?」

「はい…親の都合です」

可愛い女の子は更に可愛く笑顔を作り、私に聞いてきた。

「じゃあ知り合い居ないよね?」

「…いないです」

すごく可愛らしく笑顔を見せながらも、信じられない事を言っている。

「じゃあ私と知り合いになったわけだし、仲良くしてくれますか?」

「え?」

よくわかっていない私のことはお構い無く、彼女は自己紹介をしてくれた。

「あっ私、笹本朝香って言うんだ」

慌てて、思わず自分も名乗る。

「あ…黒崎香奈です」

可愛い笑顔で、朝香ちゃんは私に向かって言ってくれている。

「仲良くしてくれる?」

「はい」

信じられないけど、とても嬉しくて、思わず笑顔を見せながら頷いた。

「~っ…可愛い!なにこの子」

朝香ちゃんは不思議な事を言いながらも、私の手をぎゅっと握ってきた。

「あの?」

「香奈ちゃん!かわいすぎっ…やばい」

「朝香ちゃん?!」

「絶対仲良くしてね!約束だよ!」

「あっ…はい」

朝香ちゃんは、何故かすごく可愛い顔して、よくわからない事を言いながらも、友達になってくれたみたい。

すごく驚いたけど、正直すごく嬉しい。

嬉しい気持ちのまま、体育館に着くと、退屈な入学式が始まった。

とりあえずありがたい長い話を話された。

楽しくないけど、私達のための式だと思いながら我慢しながら大人しく聞いた。

周りの子達は、無駄話をしていたみたいだけど。

朝香ちゃんも黙って聞いていて、真面目ないい子なんだって思った。

ふと、男子の方に視線を向けると、桜木くんが目に入った。

相変わらず、面倒くさそうに窓の方に視線を向けていた。

そんな姿でも、なんだか不思議と目を奪われるのはなんでなんだろうか?

やっぱり見慣れないイケメン君だからだろうか。

いけないいけない。

こんなに桜木くんを見てたら、桜木くんに気づかれてしまう。

ステージでありがたい話をしている先生にきちんと視線を向けた。

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