初恋物語
長い入学式が終わり、教室に戻ると、またホームルームが始まった。

今日はこのホームルームが終わったら、帰れるらしい。

「皆さん、高校生活で勉強はもちろん、部活動や、委員会、アルバイト等、各々やりたい事があるかと思います」

高校になってやりたい事か…特にまだないな。

「部活は、運動部なら、野球部、サッカー部、バスケット部、バレー部、バドミントン部、テニス部、陸上部、柔道部、剣道部、弓道部、チアガール部があります」

色々あるみたいだけど、運動は苦手だから運動部には入れないな。

「他には、吹奏楽部、合唱部、演劇部、美術部、園芸部、写真部、茶道部、漫画研究部、報道部、放送部、ボランティア部等があります」

園芸部があるんだ。

ここの綺麗な花壇は、園芸部が綺麗にしているんだな。

「ここ桜ヶ丘高校は、部活動に力をいれています。強制ではありませんが、皆さんも是非参加して下さい」

園芸部にちょっと興味があるな。

「委員会も、生徒会役員、クラス委員、図書委員、文化委員、体育委員等がありますので、委員会については今日決めたいと思います」

クラスがざわつき、嫌だなと皆が思っていたみたいだ。

「さて、立候補はありませんか?」

「はい!私、文化委員がやりたいです」

朝香ちゃんが手をあげて立候補している。

「おっやる気がありますね笹本さん」

佐々木先生が進行し、野沢先生が黒板に名前を書いていく。

「他に居ませんか?」

「俺も!文化委員やります」

金髪で、細身で、かっこいい顔をした男子が手を上げた。

「西野くんだな!やる気があってなによりだ」

この学校はなんなんだろうか。

イケメンばっかり、美女ばかり、都会こわいよ。

「はい!朝香がやるなら俺もやりますよ!」

「なんだ?恋人か?」

佐々木先生が笑いながら冷やかす。

朝香ちゃんが大きな声で否定する。

「違いますよ!幼なじみです!」

残念そうな顔をしながらも、西野君は朝香ちゃんに悲しそうな視線を送る。

「そんな否定しなくてもいいだろ?朝香ー」

「優ちゃんもうるさい!すいません進めて下さい!」

朝香ちゃんは怒りながらも、赤くなっているみたい。

「仲良くていいなぁ」

佐々木先生は笑いながらも、朝香ちゃんが言う様に次に進める。

「じゃあ次にいこうか!えー他に立候補いますか?」

「生徒会に立候補します」

「おっ村井くんだな」

「おっ生徒会とかすげーじゃん!真琴」

「優はうるさいぞ。今ホームルーム中だろ」

「なんだよーいいだろ別に」

「まぁ賑やかで嫌いじゃないけどな!とりあえず今は静かに頼む」

佐々木先生が西野君に、ホローしながらも注意している。

「はーい」

西野くんは素直に先生の注意を受け、静かにしようと、口にチャックをするジェスチャーをした。

「偉いぞ!その調子でな西野くん」

西野君が、コクコクと頷く。

「他にはいませんか?立候補者は」

他には中々決まらず、先生が適当に決める事になった。

先生に名前を呼ばれ、決まっていない委員がどんどん決まっていった。

「最後に、生徒会役員ですね。黒崎さんと、桜木くんでお願いします」

まさか私が生徒会役員に決まるなんて…予想外すぎてびっくりした。

仕方ない…頑張るしかないな。

「よし、これで決まりましたね。後は部活に入りたい方は、先生まで言いにきて下さい」

部活に入りたい人が、先生の所に向かう。

「香奈ちゃんは部活入らないの?」

朝香ちゃんが話しかけてきた。

「私はまだよくわからないから」

「そっか!私は演劇部に入るんだ!」

「演劇部?」

「私中学の時も演劇部に入ってたから」

「そうなんだ…すごいね」
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