遠距離想い
「嫌……っ!」
これで何度目の目覚めだろう。
額には汗が滲んでいて、
声を聞いた姉が部屋に入ってきた。
「茉稀大丈夫っ?」
「うん、ごめん起こして。」
いつもの事。
3年たった今でも夢に見てしまう…。
メンタルが弱い自分が情けない。
ゆっくりとベッドから出て窓を開けると
6月特有のジメっとした空気が部屋に充満した。
神坂茉稀、高校2年生。
私立高校に通う一般的な女子高生。
家族は姉、母、父の4人家族。
とてもとても一般的。