。*゚なな色のお茶会゚*。

‡白‡ 『羽根』

「おやすみなさい」








悲しい声が響く



そして視界が暗くなった


闇だけが包む、世界



真っ暗な世界で見えるのは



空から舞い散る、白い…羽根





それだけを頼りに

出口を目指した




怯える心を振り切って……

前へ、前へ……














どれくらい歩いたのだろう…





前が見えない


それは目をつむっているから




音が聞こえない


歩くのをやめてしまったから




何も………感じない………


心を…………














長い長い旅の間に、


なくしてしまったから………











誰も知らない

思い出せない


自分さえ…知らない……



誰…?僕を呼ぶのは……誰…?





持っていた白い羽根が僕に問う







「君は目覚めたいの?」

「君は思い出したいの?」

「何を求めてるの?」


「君を……呼んでるよ」



呼んでる…?

誰………が……?





空から堕ちてきた羽根が



やがて堕ちるのを、やめた











それが自分の羽根だって


今、気付いた




答えは初めから、
自分にあったんだって


今、わかった








落としてしまった


大切な記憶

大切な心


大切な仲間との約束を………





再び拾い集める



もう飛べないかもしれないけど






諦めたりはしない






再び………

みんなの元に、帰るために……





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