光の青
思い出すだけでも悔しさがこみ上げてくる。

あれから半年。
私は学校に行く事なく中学を卒業し、高校の入試も病室で受けた。
両親は他に茶道や華道などを勧めてくれた。
だけど陸上以外に熱中出来るものは無かった。

「杏南。」

「十夜……」

顔を上に上げると、この病院の院長の息子さんで最近仲良くなった月神 十夜(ツキガミ トウヤ)君。
眼鏡をあげ、私の車椅子を押す。

「やっぱり、陸上好きなんだね。」

「え?」

「高校。陸上で有名な御影高校でしょ?」

「十夜には隠せないな………」

「隠さなくていいから。」

「やめるとこは…出来ない。」


やっぱり好きだから。
走れなくても、希望は捨てたくない。
私の足は鉄骨が刺さり、ズタボロになってしまった。
でも、走りたい。
風を感じたい。

「頑張れ。杏南。」

「うん!」

「俺その高校にいるから。」

「…………え?」

「御影高校もうすぐ2年月神 十夜です。よろしくね♪後輩ちゃん♪」

「嘘……!!」










さっそく友達が出来ました。








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